文部科学省は2011年から小学校の5、6年における英語活動の必修化を決定しましたが、EFL(English-as-a-Foreign-Language)の資格を持つ教師の数は足りないと言われています。また、日本人のEFL教師の英会話能力(特に発音)は、各地域の教育水準により変化すると言われています。 この研究では、福島県内の日本人英語学習学生133人、日本人英語教師77人、ネイティブスピーカー30人によるStellaパラグラフ(*1)の録音データ(*2)を基に、Praat(*3)を用いて母音、摩擦音、VOT(有声開始時間)、単語間の繋がり、音の強さ、イントネーション等の解析を行い、その結果から日本人が犯しやすいミスの分析を行っています。また、各グループ同士のデータを比較することにより、グループごとの発音上の特徴の違いや、日本人英語教師の発音が日本人英語学習学生の発音に与える影響の分析も行っています。さらに、ネイティブスピーカーによる指導(週1回、各90分、合計14回)を受ける前と後での、学生の発音の変化も分析しています。 *1 英語の音声学研究で頻繁に用いられる文章。英語の音におけるほぼ全ての要素を含んでいる。 *2 ネイティブスピーカーの録音データはSpeech Accent Archiveにアップロードされている物を利用。 *3 オープンソースの音響解析ソフトウェア。スクリプト機能により、高度で複雑な解析を自動化することが出来る。
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