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語学研究センター 音声学ラボ

会津地域の方言の研究

現状

現在、日本では少子化と都会への若者の流出が続き、方言は存続の危機にさらされています。その様な状況の中、多様な方言に恵まれている会津地方で方言の音声データベースが存在しないというのは、非常に残念なことです。私たちの知る限りでは、昭和55年に加藤、半澤、佐藤によって行われた会津地方の方言の研究が一番最近のものですが、その研究に関して公開されている音声データはありません。言葉は時間の経過とともに変化します。時代ごとの体系的で高品質な記録は言語学者や人類学者にとって大変有益なものであり、会津地方の方言を音声データベースとして残すことは急務と言えます。

本研究の目的

この研究の目的は、会津地方の方言のデジタル音声データベースに引き続き音声データを追加していくことです。 そのために、会津地方のできるだけ異なる地域で広い年齢層・多くの方々から方言のサンプルを採取し、処理し、このウェブサイト上の公開データベースに取り込みます。 また、praatを用いて母音のフォルマントとピッチを計測し、方言同士または標準語と比較し、音韻論・音声学的分析を行います。 採取した音声サンプルとこのウェブサイト上で行われる分析結果は、今後も更新し続けていきます。

データ

私たちのウェブサイトには、朗読、イラストカードの読み上げ、地域の音声データ、過去の音声データの4種類の音声データを掲載しています。「朗読」のページには、会津方言での物語、歌、会話を掲載しています。「イラストカードの読み上げ」のページには、様々なカテゴリーの単語のイラストとそれに対応する音声データを表示しています。 調査の参加者にはイラストカードが提示され、参加者は普段使用する方言の言葉でカードに何が描かれているかを答えるよう求められました。「地域別の音声データ」のページには、会津地方の様々な地域の音声データを掲載しています。「過去の音声データ」のページには、数年前に単一指向性のスピーカーによって録音された音声データと、会津方言と標準語の翻訳を並べて表示しています。

NHK大河ドラマ「八重の桜」